オフショア開発はなぜ失敗する?原因を知ってリスクを回避しよう

ITエンジニアの不足が深刻化する現代の日本において、オフショア開発を始める企業が急増しています。中でも、ベトナムは中国に次ぐオフショア開発先として注目を集めています。しかし、上手くいかずに撤退する企業も多くないのが現状です。この記事ではオフショア開発を視野にいれている方に向けて、オフショア開発に潜むリスクと原因を見ていきましょう。

オフショア開発とは?
海外に自社の開発拠点を設立して開発を行う、または海外の開発会社にアウトソースすること

 

1.品質が期待どおりでない

オフショア開発のリスク 品質が良くない

オフショア開発のリスクの一つ目は品質です。失敗事例として、成果物が依頼内容と全く違っており、修正のために予算も納期もオーバーしてしまったというケースがあるようです。これにはどのような原因があるのでしょうか。

(1)仕様理解が難しい

専門性の高いシステム開発の場合、日本語が分かるブリッジSEやコミュニケーターがいたとしても、日本特有の専門用語が理解ができないときがあります。例えば、自動車の販売管理システムの開発を依頼した場合、外国人の開発者が「型式」「型式指定番号」「形状」の意味と違いをそれぞれ理解できるでしょうか?このような専門用語は、日本人にとっても理解するのが難しいです。他にも、片仮名には説明を加えたり、主語を明確にしたり、仕様書を作る際に配慮した方が理解されやすいでしょう。

(2)日本的な開発スタイルが通用しない

日本では仕様書を詳細に書かなくても、「プロなら書いてなくても気づいてくれるだろう」と思ってしまう傾向にあります。確かに、同じ日本であれば品質に対する意識に大きな差はないと考えられます。付き合いが長くなれば、指示されなくても発注者の意図を汲み取って対処するという優秀な開発者もいるでしょう。しかし、海外の開発会社ではそうはいきません。基本的に仕様書に書いてないことは実施されないと思っておいた方が良いでしょう。当然、品質に対する意識にも違いがあります。開発側とのコミュニケーションにおいて、「これ言った方がいいのかな?」「この前質問した件、返事がないけど対処してくれているのかな?」と思い悩んで何も指示をしないよりも、詳細に指示を出し行く方が良いでしょう。そのようなコミュニケーションを円滑に行うためにも一度現地を訪問することをおすすめします。顔を合わせればお互いに安心して連絡が取りやすくなります。さらに、言語の壁はありますが、直接会話をすることでプロジェクトのゴールを共有できるかもしれません。

(3)経験が浅い

ベトナムはITエンジニアの大半が若者であり、経験が豊富とは言い難いです。現在、ベトナムの平均年齢は31歳で、人口ピラミッドを見ても若い世代が多いことが分かります。そのうえ、IT市場規模が拡大したのは2010年頃なので、ITエンジニアが増え始めたのも最近のことです。さらに、ベトナムは自社開発よりもオフショア開発で成長してきた国なので、一般的に濃い経験があまりないと言われています。したがって、中長期でメンバーを固定できるラボ型契約でノウハウを蓄積してくというのもアリです。

 

 

2.場合によってはコストメリットがでない

オフショア開発のリスク コストメリットが出ない

オフショア開発のリスクの二つ目はコストメリットが出ないことです。コスト削減を目的としてオフショア開発に踏み込んだものの、思ったよりもメリットが出ない可能性があります。

(1)賃金が上昇し続けている

日本貿易機構JETROによると、上昇率は落ち着いてきたものの、最低賃金自体は毎年上昇しています。ベトナムのプログラマーの人月単価は約25~30万円ですが、これからも上昇する見込みです。こちらの記事によるとベトナムでもコストメリットが出にくい状況になり、オフショアからニアショアへシフトした企業もあるようです。

(2)コストのかかるアサインをしている

オフショア開発は開発規模と体制によってコストメリットが変わってきます。

①コストメリットが出るパターン(プログラマー9人月を必要とする場合)
オフショア開発のリスク 開発体制
上図のように、プログラマーの数を必要とするプロジェクトであればオフショア開発の方がコストを抑えることができます。

 

②コストメリットが出ないパターン(プログラマー1人月を必要とする場合)

オフショア開発のリスク 開発体制

上図は極端なパターンですが、両者のコストにあまり差がありません。PMやブリッジSEはプログラマーに比べてコストが高いため、全体に対してPMとブリッジSE割合が大きいほど、コストメリットは小さいです。したがって、プログラマーの数を必要としない小規模なプロジェクトの場合、オフショア開発のコストメリットが出にくいと言えます。

 

3.人材が豊富でも定着しない

オフショア開発のリスク 人材が定着しない

オフショア開発のリスクの三つ目は離職率が高いことです。その離職率は約20%程度で、ベトナム若者の仕事観調査によると、約8割のベトナム人は転職の経験があり、4割の人が転職に対してポジティブなイメージを持っていることが分かります。実際に、スキルアップの為に転職を繰り返す人も多くいます。また、会社選びの際は給料を重視しているため、理想の給料に到達する見込みがない場合は転職してしまうケースも多いです。ではスタッフを定着させるためにはどうしたら良いのでしょうか。まず、仕事の評価と給与査定をこまめに行うということです。例えば、半年に一度、面談を設けて目標に対する達成度を確認し、給与アップの為にはどの程度達成すべきかをスタッフと共有します。他には、自分がその集団の一員であることを感じさせる機会を作るということです。そのため、ベトナムでは社員旅行をはじめとして、社内イベント大切にしていると感じます。弊社でも社員旅行はもちろん、誕生日会や新メンバーの歓迎会など多くのイベントを行っています。このようなイベントを通して、仲間意識を感じる機会を増やすと良いでしょう。

 

 

4.まとめ

以上を踏まえると、オフショア開発でいきなり海外拠点を設立するのはリスクが大きいと考えられます。したがって、現地の開発会社と数年間ラボ型契約をしてみるのも有効な策でしょう。これにより、開発の品質や仕事に対する考え方を理解できるはずです。最後に、リスクを回避してオフショア開発を成功に導くために押さえておきたいことは以下の通りです。

・長期ビジョンでエンジニアを育成する
・日本と同じような品質意識をもつブリッジSEを採用する(もしくはそのような会社に依頼する)
・現地を訪問する機会をつくり、開発者と密なコミュニケーションをとる

 

 

株式会社BAPには、日本大手企業で正社員として活動した経験のあるメンバーが多く在籍しており、品質に対する考え方を十分理解しています。そして、ベトナム人の品質に対する考え方も理解しているため、両者の違いをベトナム人エンジニアに伝え、分かりやすく目指す方向を示すことができます。そして、高い日本語スキルを持ったエンジニアおよび日本人社員により、常にお客様とコミュニケーションの取りやすい環境を整えています。開発に関するご相談やお問い合わせはこちらまで。

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